春もたけなわとなり、新年度いかが過ごされ、いかに食べられているでしょうか。
「普段何を食べているかいってごらんなさい。そうすれば、あなたがどんな人か当ててあげましょう。」(ジャン・アンテルム・ブリア=サヴァラン/法律家/美食家/フランス)という言葉もあり、きちんと食べることが大切だという意味が込められています。
「食べる」ということはどういうことなのか。食事から栄養を摂り空腹を満たします。また誰とどこで食べるのか、誰が調理し、片づけるのか。食材は誰が生産し、どこで購入するのか。農業や流通、販売、地域経済、家族や友人といった人間関係。こうした社会関係が食事には密接に関連します。食べ物と一緒に多様な社会関係を食べています。
食べられないことは、健康と社会関係が壊れることを意味します。それを防ぎ自分らしく生きられるように、社会福祉・社会保障制度では最低限度食べることを保障する生活保護や年金制度を準備してきたのですが、制度を利用してもなお食べられない状態が生み出されています。
人は食べなければ生きていけないので、制度で支え、市民の手で支えあう必要があり、食べることの支援はみんなが担い手になる必要があります。栄養という側面だけでなく、周囲との関係性の中で食卓を囲みたいものです。