うっとうしい梅雨の季節になってまいりましたが、本格的な夏に向かって、体調管理を含めていかがお過ごしでしょうか。
夏と言えば、暑い→夏バテ→鰻なんて発想はないでしょうか。夏バテ対策の食べ物として、挙がる代表的な鰻(最近は稚魚の問題で、高騰の話ばかりですが)。代表的な食べ方としては蒲焼きですが、その料理法は関東と関西で異なります。関東では背から開いて頭を落とし、白焼きのあと一度蒸してから焼き上げるのに対して、関西では腹を割いて頭をつけたまま焼き上げます。この蒸すというひと手間が、両者の食感や味わいに大きな違いを与えます。関東では脂が落ちて皮までふんわりやわらか、関西は皮目はパリッと香ばしく身はジューシー。東西ともに慣れ親しんだ味をひいきにする人が多いようですが、その逆の人も多いようです。関東風、関西風の境界は愛知県と静岡県の県境くらいにあり、このあたりでは両方が混在していますので、贅沢に食べ比べを楽しんでみたいものです。ちなみに背開きと腹開きの理由には諸説あり真相は分かりませんが、武士社会の江戸では切腹を嫌い、大阪では腹を割って話すからという思わず納得してしまいそうな話もあります。
楽しく、美味しく食べるというためにも日々の手入れを含めて、健口でありたいものです。