診療室よりこんにちは
一雨ごとに春が近づいておりますが、季節の変わり目で、体調を含めて、いかがお過ごしでしょうか。
自覚症状がないため、危険を認識しないまま放置され、ある日突然生命の危機を招く状態になる病気のことを「サイレントキラー(沈黙の殺人者)」と呼んでいます。その代表的なものが高血圧です。高血圧は先天性のものを除くと、塩分の摂り過ぎ、過食や飲酒などの生活習慣が主な原因と考えられています。
高血圧の予防・改善には減塩が効果的ですが、過剰に摂取したナトリウムを排泄する働きを持つカリウムを多く含む、ほうれん草やじゃがいも、アボガド等を日々の食事に多く取り入れることをお薦めします。
医食同源という言葉があるように、食と医療は密接な関係にあります。平成25年12月に、和食がユネスコ無形文化遺産に登録されてから3年余が経過しました。基本は一汁三菜で、味付けは砂糖や塩より出汁や発酵系調味料(味噌・醤油・酢・酒・みりん)がベースになります。そんな中、1975年頃の日本食が健常者のストレス軽減や運動機能を向上させ、軽度肥満者に対してはBMI値を低下させるといわれています。食材の中心は大豆製品や魚、果物、野菜で調理法も揚げ物や炒め物より、煮る・蒸す・生が多く、いろいろな食材を少しずつ食べるのが特徴です。栄養素でもカルシウムやたんぱく質、ビタミンA、C、Dが豊富です。日頃からバランスの良い食事を摂ることで病気を予防しましょう。