一雨ごとに春が近づいてまいりますが、まだまだ気ぜわしい中でいかがお過ごしでしょうか。
親知らずはどのような状態でしょうか。骨の中で横向きに埋まっている、あるいは傾斜して顔を出している親知らずは、生えようとして手前の歯を押して傷めたり、隣の歯との間にプラーク(細菌のかたまり)を溜め込んで、むし歯や歯周病のトラブルになりやすいです。
まっすぐ正常に生えていて、上手に磨くことができていれば、抜く必要はありませんが、「将来トラブルが起こる」と歯科で指摘をされたなら、早いうちに抜くことをお勧めします。だましだまし過ごしているうちに、親知らずが原因のむし歯や歯周病で、治療が手遅れになるほど隣の歯が傷んでしまったり、歯並びがおかしくなって奥歯で噛めなくなったり、親知らずの周りに起きた炎症が歯ぐきから舌の下、頬や首の組織へと広がって発熱し、入院が必要になることもあります。
問題のある親知らずはあるけど、「腫れや痛みがひどくなったら、覚悟を決めて抜こう」と思っているかもしれませんが、炎症が起きている最中の抜歯を、避けなくてはなりません。
炎症によって麻酔が効きにくく、かりに抜歯したとしても治りが遅く、二次的な感染症を起こして、痛みや腫れがひどくなることがあります。
くわえて年齢が進むと、歯と顎の骨の癒着が起きやすく、抜くのがとても大変になります。親知らずに限らず、年齢を重ねると良いことばかりではありませんが、健口で過ごしたいものです。