早いもので、なにかと気忙しい季節になってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
年末年始には美味しいものを食し、「いただきます」と「ごちそうさま」という機会が多いことと思います。
「いただきます」は仏教用語ということをご存知でしょうか。
私たちは、両親のお蔭でこの世で生をまっとうしていくのですが、生きていくため、生きながらえるために、「多くの命」を犠牲にしているのです。
牛や豚、鳥や魚などの尊い命(野菜・植物にも当然命があります)を頂いて初めて生きながらえることができるので、食事を頂く前から心から感謝の気持ちを込めて合掌して「いただきます」と言葉にするのです。
また「ごちそうさま」は「御馳走様」と書きます。「馳走」とは国語辞典では「多くの人が走り回る」と載っています。
たとえばコンビニの鮭弁当の鮭がお口に入るまでに何人の手をわずらわしてきたのでしょうか。
漁師さん、市場の人、調理した人、コンビニに運んだ人、コンビニの店員だけでしょうか?
漁師さんの船を造った人、その材料を作った人等々考えれば、それぞれの段階で限りない人々、何千万人という人が「私」のために走り回っています。
このことに感謝を込めて、ご飯を食べ終わった時の言葉「馳走」の前に丁寧語の「ご」をつけ、あとに感謝の意をこめて「様」をつけるようになりました。
日々、普通に過ごせることにも感謝したいものです。